神奈川県藤沢市にあるデータ復旧専門店 下田商会 ハードディスク物理障害 読み取りヘッド部品交換方法の紹介ページ |
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写真左は2.5インチハードディスクでヘッド吸着が起きてしまったモノです。 お客様がヘッド吸着後に何度も通電させた為に吸着してしまったヘッド部品がプラッタ盤面に噛みついたまま、ヘッド先端部品のみが剥がれた状態です。 こうなってしまうと読み取りヘッドをアクチュエーターアームごと交換する必要があります。 この作業は「クリーンルームで無ければ行えない」と断言する技術会社様も多いのですが、工業用・医療用のクリーンベンチでも問題なく行えます。 同時に複数のHDDを処理する場合にはクリーンルームの方が作業効率は良いと思いますが・・・。 |
アクチュエーターアームごと読み取りヘッド(スライダーヘッド)を交換する為には、同型のハードディスクを取り寄せて部品の移植を行う必要があります。 この部品を見つけることが一番大変なのです。 単純に型番が同じというだけではなく、生産国や生産ロットが近い物、ファームウエアが同じもの、などなどドナーとなるハードディスクを見つけられるか否かがデータ復旧成功のカギとなります。 |
一番初めにハードディスクのトップカバーのネジを外します。 交換が必要なアクチュエーターアームの上下部には強力な磁石が配置されているので、まずは磁石の取り外しを行います。 この際に外したネジや磁石をプラッタ盤面に落としてしまうと致命的なので細心の注意を払って作業を行います。 ※作業時には手袋とマスクは必需品です。 |
上面の磁石を除去した状態です。 この状態から茶色い部分の基板のネジを外します。 この段階で読み取りヘッド部品が密着しないようにヘッド部品先端部に養生用スペーサー治具を用いてヘッドクリアランスを保ちます。 この治具は技術者によって好みが分かれるところなので、あえて写真は割愛します。 |
ヘッドクラッシュしたハードディスクから摘出した破損ヘッド部品。 この部品がアクチュエーターアームです。 これを正常な物に置き換える事により、データの読み出しが可能な状態に復旧できる可能性があります。 ※完全互換の部品を入手できた場合にのみ作業を行っております。 |
アクチェーターアーム摘出後のハードデイスク状況 プラッタのみの状態にしてから、ドナーハードディスクを同じ手順で分解してアクチェーターアームを取り出して部品移植を行います。 ※クリーンベンチで作業を行っていますが、もしプラッタ盤面に微細なホコリなどが付着する場合があるので適宜、ハンドブロアー等でプラッタ表面を綺麗な状態に保っています。 エアースプレーなどは圧が強いので個人的には好きではありません。 |
左側のハードディスクがドナーとなる部品取り様に調達した中古ハードディスクです。 右側のハードディスクは上の工程でアクチュエータアームを取り外した状態です。 この後に左側のハードデイスクのヘッド部品を移植します。 |
破損しているヘッド部品 アクチェーターアームごと摘出しています。 なかなか完全互換品を見つけるのが難しいのです。 |
アクチュエーターアーム(ヘッド)交換後の要救出ハードディスクのテスト状況です。 この写真は撮影用にトップカバーを外した状態で撮影しています。 アームアクチェーター交換後に正常に動作しています。 |
左側がドナー(部品取り)に使用したハードディスク 右側が復旧依頼品のハードディスクです。 MODELナンバーは完全合致 生産国も合致 生産月は若干のずれあり。 MLCは先頭4桁が合致 この条件で互換部品でした。 |
※1:ハードディスクの分解は可能であればクリーンベンチが好ましいです。 ※2:個人でヘッド交換をされる方で、普通の部屋で手元を扇風機などで送風して作業を行っている方もいます。 ※3:個人でヘッド交換をされる方で、お風呂場で作業される方もいらっしゃいました。その場合、お風呂場全体を乾燥させておいてから換気扇を回した状態で作業をするそうです。 ※4:分解・ヘッド交換はかなりのリスクを伴う作業です。あまりお勧めはしません。(自己責任です) ※5:失敗すると2度とデータが読み出せないハードデイスクになる可能性があります。 |
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